2018年3月16日(金)に日本公開された3Dアニメーション映画「リメンバー・ミー」。
圧倒的な映像美と、心を揺さぶられる美しい歌に感動をおぼえましたが、それ以上に物語に込められたメッセージから、大切なことを教えてもらえたので書き残しておきます。
この映画が教えてくれたメッセージ、それは
生きていく全ての人が学ぶべき、大切な人の死を受け入れるために必要なこと
映画「リメンバー・ミー」のあらすじ
※ネタバレはしていないので、安心してご覧ください!

主人公は音楽好きな12歳の少年ミゲルくん。
彼のひいひいおじいちゃんが、奥さんとこどもを置き去りにして、音楽の道を追い求めてしまったことから、ミゲルくんの家では代々音楽が禁止されていました。
物語の舞台であるメキシコには、年に一度死んだ人と再会できる「死者の日」があり、ミゲルくんはその日、憧れのミュージシャンであるアーネスト・デ・ラ・クルズに会うために彼のお墓に忍び込み、遺品のギターに触れてしまい、呪いにかかってしまうんです。
その呪いを解くために死者の国へ行き、ご先祖様たちと会うわけですが、そこで家族の禁断の秘密を知ることになるのです。
幼い時は誰しもが、両親や家族と意見が合わずにケンカをしたり、自分を認めてもらえずにいがみ合う、そんな時があったと思います。ぼくにもありました。
リメンバー・ミーには、フィクションだけれども他人事とは思えないリアルな感情が描かれているので、共感ポイントを自分ごとに置き換えて考え、泣けてしまうのかもしれません。
そんじょそこらのお涙頂戴映画とは一線を画した、生と死の勉強ができる素晴らしい映画です。それでいてこどもと見ても楽しめるんだから、もう言うことなしです。
美しい死後の世界

映画「リメンバー・ミー」の物語のキーになっているのが、一年に一度死んだ人に会えるというメキシコの祝日「死者の日」。日本ではお盆がそれに当たりますが、お盆のような厳かな雰囲気ではなく、家族や友人達と明るく盛大にお祝いするようです。
リメンバー・ミーでは、そんな年に一度の「死者の日」にだけ、人間界と死後の世界が橋で繋がり、ご先祖様が家族に会いに人間界に帰ってくる様子が描かれます。
生きた人間のミゲルくんは、逆に死後の世界へ迷い込んでしまうのですが、その死後の世界がカラフルでとても美しく描かれています。ぼくらは普段「死」というものを、ネガティブで怖いものと捉えがちですが、映画ではとても煌びやかな世界として存在しているんです。
生きている人なら、いつかは必ずお邪魔するあちらの世界。
いつかくるその日に怯えるよりも、リメンバー・ミーで描かれたような世界が待っているんだって考えたら、今を楽しく全力で生きられる気がしてきます。
ちなみに劇中の死者の国は、メキシコのグアナファトをイメージして描かれたようです。
死ぬ前に一度は行ってみたい!
人は二度死ぬ

ミゲルくんが死者の国で出会ったガイコツ「ヘクター」。ミゲルくんをデラクルズに会わせる為に協力してくれるガイコツですが、彼がミゲルくんに教えてくれたコト。
それが
人は二度死ぬ
というコト。
最初の死は、肉体の鼓動が止まった時。肉体の死。
そして二度目の死は、生者の世界でその人のことを覚えている人が誰もいなくなった時。魂の死。

劇中で、ヘクターは
二度目の死を迎えた者は、その後どこへ行くかもわからない。
と言っていますが、どこへも行かないことは多分わかっているんだと思います。
そう、
二度目の死を迎えた者は、無に返る。誰の記憶からも消えて、無くなるのみです。
大切な人はいつもそばにいてくれる

メキシコの「死者の日」や、日本の「お盆」は、大切な人が二度死なないようにすることを目的としているのかもしれません。
年に一度、家族や親戚と集まり、
おじいちゃん、プッチンプリン好きだったねー。
とか
おばあちゃんと一緒に、あのテレビを見たの覚えてるよー。
とか
おじさんと一緒に餃子食べたっけなー。
とか
あいつ、あのスーパーのチーズケーキが好きだったなー。
とか
大切な人が帰ってくる日に、思い出話をするだけで、大切な人はぼくらの心の中に永遠に生き続けることができます。
大切な人との別れは、計り知れないほど辛い出来事ですが、生きているぼくたちが忘れない限り、ぼくたちの心の中で生き続けるんだって思えば、なんだか少し安心しませんか?
- 夢
- 家族
- 死
リメンバー・ミーは、生きていく上で誰しもがぶち当たる辛い壁をテーマにしていますが、それを乗り越える方法を主人公のミゲルくんを通して教えてくれている気がします。
本当に素晴らしい映画と出会えました。感謝!

シシド・カフカさんが歌う主題歌
わたしのこと、覚えていてね。
と歌う、主題歌「リメンバー・ミー」も素晴らしいです!
シシド・カフカさんの、ちょっと影があるボーカルもいいですね!